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この地図の元ネタはThe National Trust for Scotlandです。 |
地理 セント・キルダ島(正確には群島)。ヒルタ島Hirta、ボーレー島Boreray、ソアイ島Soay、ダン島Dunの4つの主な島から成ります。人が住んでいる(いた)のはヒルタ島だけで、他の島は上陸も困難です。
スコットランドscotlandの沖、アウター・ヘブリディーズ諸島Outer Hebridesから西に約60キロ。北緯57度49分(参考:樺太の真ん中が北緯50度くらい)、西経8度34分。面積853ヘクタール。標高は一番高いところで430メートル。ヨーロッパで最も高い断崖絶壁を持ち、コナシェアの丘Conachair hill は高さ430m(って事は標高と同じじゃん)。
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歴史
6000万年前の火山活動によって造成され(世界で最も古い火山跡があるそうです)、氷河期に削られて断崖絶壁が作られ、その後の海面上昇によって現在の形になりました。
人間が住むようになったのは2000年前の青銅器時代。バイキングが生活していた跡が残されています。僅かな農耕と海鳥の捕獲、羊の放牧をして暮らしていたそうです。
800年くらい前からはスコットランドの領主MacLeod of MacLeodに統治され200人弱の人々が自給自足に近い生活をしていました。しかし、貨幣経済の影響や天然痘の発生等により生活が立ちゆかなくなり、1930年に政府の指導により住民は全てスコットランド本土に移住しました。
1957年に 5th Marquess of Bute(5代Bute侯爵?)からナショナル・トラスト・フォー・スコットランドNational Trust for Scotland (NTS)に土地が寄贈され、同じ年に国立自然保護区national nature reserveに指定されました。また1986年にはスコットランドで最初のユネスコ世界遺産(自然世界遺産−登録基準iii, iv)に指定されました。
現在は、石造りの住居跡の他、学校や教会等が資料館として残されています。また、現在最大の住人(?)である軍の施設がたくさんあり、山頂にはレーダードームが作られています。この人たちはヘリコプターでやってくるそうです。
また、ナショナル・トラストにより厳しく管理され(軍は間借りしている立場のようです)、年間の観光客は1000人(2000人と書いてある書物もある)に限定されています。夜間の宿泊もできません。
セント・キルダSt Kilda、名前の由来 一読すると、セイント(聖)・キルダさんが居て、その人にちなんで付けられたみたいですが、違うそうです。古代スカンジナビア語で盾(海から見たときの島の形が盾に似ている、言われればそうかもしれない)を意味する"Skilder"がなまったそうです。
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自然
北大西洋で最大規模の海鳥の繁殖地です。カツオドリgannetの、世界最大の繁殖地があり約60,000つがいが生息しています。パフィンpuffin(ニシツノメドリ)のイギリス最大の繁殖地で140,000つがいが生息しています。鳥たちがもたらす羽毛と卵は島の住民の大事な食料と現金収入になりました。
また、過酷な自然のためあまり多くの動植物は生息していませんが、隔離された環境から独自の進化を遂げた生物も見受けられます。なかでもソアイ島に生息するソアイ種と呼ばれる野生のヒツジは、鉄器時代そのままの形態を保っており、学術的に大変貴重なものだそうです。
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