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2009hawaii 06/24
 さて、明日は帰国なので実質的には今日が旅行最終日。最後にして、今回の最大の目的地に向かいます。朝食はヒロHiloの町にある24時間営業のファミリーレストラン、ケンズ・ハウス・オブ・パンケーキKen's HOUSE OF PANCAKESへ。朝から結構賑わっている。ウエイトレスは、元気なおばさんが多い、働き者です。店名にもなっているパンケーキと、オムレツを注文。どちらもアメリカンサイズ、メニュー番号1が“Three large Buttermilk Pancakes”、つまりパンケーキは3枚が基本、オムレツも玉子3個です。パンケーキにはメイプルシロップだけでなく、各種フルーツソースが用意されていて味の変化が楽しめる。

 サドル・ロードSaddle Rdを西へ。うねうねと蛇行しながら徐々に高度を上げ、峠を目指す。森が消え、荒涼とした大地が広がり出すと、峠はもうすぐ。あれ、なんだか道が立派になっている気がします。黒々とした溶岩台地の中に滑走路のような立派な道が続く。サドル・ロードをマウナ・ケアMauna Keaへ折れると、程なくしてオニヅカ国際天文学センターOnizuka Center for International Astronomyに到着。ヒロから2時間弱です。

 高度順応(ちなみに此処は標高2,800メートル)の為、小休止、売店で土産物を物色する。「Hawaii」なシャツだとちょっと恥ずかしいが、「Telescope」なデザインは持っていても恥ずかしくない(一見するとなんだか判らない)のでハワイ土産にお薦めです。そしてお昼ご飯は、カップラーメン。前回は日清カップヌードルでしたが、今回は“SAPPORO ICHIBAN”。ヒロのKTAで買った FURIKAKE SPAM MUSUBI (ふりかけスパムむすび)と一緒にいただく。

 2時間休憩し、いよいよマウナ・ケアへ。流石に良い天気。山頂週回道路をぐるりと一周し、スバル望遠鏡Subaru Telescopeへ向かいます。今回の最大の目的、すばる望遠鏡ドーム内見学ツアーは13時30分集合。銀色の円柱の下で待っていると、中から2人の女性が出てきた。そのうちの日本人のかたが今日のガイドさん、はい、よろしくお願いします、と挨拶していると妻が「あのう、ミヨズMIYO'Sで……」。

 なんとこのガイドさん、本職はすばる天文台の職員(つまり国家公務員)で天文台で働く傍ら、人と触れあう事が好きで、週末だけヒロの日本食レストラン、ミヨズでお手伝いをしているそうだ。4日前に食事をした時、利発な感じのウエイターさんだと思ったがまさかこんな所で再会するとは。

 ミヨさん(仮名)の案内で、いよいよすばる望遠鏡ドームの中へ。中も結構寒いです(観測(ドーム解放)時に温度変化が起きないように、外と同じ温度にしてある)。ミヨさんと一緒に居たアメリカ人のお姉さんは現地採用の人で、一緒に見学(でも寒いと言って途中で居なくなった)。

 天文学なんて、人類の発展には全く寄与しないある意味道楽な学問だが、もっとも夢を駆り立てられる分野でもある。そこに400億円もつぎ込んで作られた世界最高峰の施設を色々な角度から眺められる。まだ昼間なのに、メインテナンスの為、多くの人が働いている。

 案内がてら、興味深い話を色々伺う。面白かったのは、レーザー光線によるぶれ補正システム。普通は目印となる星を基準にして画像のぶれを補正するが、観測対象の周囲に明るい星がない場合、すばるから上空の“なんたら層”にレーザー光線を放射し、それを目印にするそうだ。星を“撮る”だけでなく、逆に宇宙に向けて“発信”しているなんて面白い。

 夢の施設だがここは厳しい環境でもある。マウナ・ケアでの連続作業時間は規則により制限されているとか、せっかく赴任してきたが高山病に耐えられず1日で辞めた人も居るらしい。こればっかりは、時間をかければ慣れるものでも無いらしい。そんな中、ミヨさんはもう8年も日本に帰らず勤めているそうだ。小1時間で、ツアー終了。「また来てね」、って言われてもそう簡単には来られません。

 さて、今回はなぜか“へなちょこポイント”を巡るへなちょこ旅となっていますが、最後にへなちょこでは無いところを見せましょう。マウナ・ケアに挑戦です。と、言ってもほぼ山頂に居るので距離にして400メートル、高低差にして50メートル程度です。周回道路に路上駐車をして、いざ出陣。念の為、水と共に酸素発生器・オーツーフォレストを用意する。

 鞍部までは緩い下りなので気にならなかったが、登りはじめて異常に気付く。全く息は上がっていないが脈拍が異常に早い。1歩に1秒、ゆっくりと登る。草1本生えていない丘の頂上は……本来ならば天文台を建てるのに絶好の場所だが……ハワイアンの聖地として保護されていて、小さな“祠(ほこら)”がある。20分後、無事、到着。

 無造作に積まれた石の上に、これまた無造作に木で組まれた祭壇のような物があり、周囲には何かの儀式を行ったと思われる物が散らばっている。ククイの実のレイが供えられていた。普段は信仰など意識する事無く生活しているが、祈りの場に立つとやはり神聖な気分となる。標高4,205メートル、薄い空気を感じながら、静寂の中、古代から続く信仰の祠と銀色に光る天文台をしばし見比べる。

 さて、帰る事にしましょう。急ぎすぎないように注意しながら下りはじめたつもりだったが、暫くすると頭痛が始まった。これが高山病ってやつですかね。このまま行き倒れる程の症状ではないが、念のため酸素の準備。オーツーフォレストは、ペットボトルのような容器に粉末の薬剤と水を入れると、反応で酸素が発生する仕組み。マスクを口にしていると、赤坂5丁目ミニマラソンのタレント気分……効果があるのか無いのかよくわかりませんが。

 本来なら昼から来て夕日を見るのがマウナ・ケアの定番だが、明日は帰国なので早めに帰宅しましょう。太公望ハワイの御一行様とオニヅカですれ違います。トイレ休憩のついでに周囲を散策。駐車場の奥には柵で囲われた一角が有り、銀剣草Silverswordが保護されている。話の種に見に行くと、なんとなんと、数十年に一度しか咲かないらしい花が咲きまくってます。ありがたみが全くありません。向日葵のような、菊のような、下から順番に咲いているらしく、上の方はまだつぼみ。

 最後の晩餐はパホアPahoaの町のタイ料理店、Ning's Thai Cuisine。なぜかおしゃれなおばさまでいっぱいの人気店。ココナッツミルク風味のカレーと魚のあんかけを注文。ご飯が何種類か有ってよくわからないので適当に注文したら餅米が出てきた。カレーのご飯としては不適切な感じもしたが、モチモチでこれが美味い。カレーも美味い、魚も美味い。パホアの町、最高!!。それにしても軽い頭痛が続いている。下界に戻ればすぐに直るものと思っていたが、そうでも無いらしい。前回は全く平気だったので少し不思議。

 7時過ぎ、ゲストハウスに戻ると待ちかまえていた親分(4歳)に捕まりなんだか良くわからない遊びに巻き込まれる。この子は大人には見えない世界が見えているらしく、そのイマジネーションに対応するのが結構大変。子供と遊ぶ機会なんて滅多にないので新鮮でした。ご両親は、日本ともアメリカ本土とも違う環境での教育に苦慮されている様だが、子供の頃の幸せだった記憶が、将来のこの子の糧になることは間違いないでしょう。


06/24 end


Photo
すばる望遠鏡puffin すばる望遠鏡
レンズは青い筐体の中になり、残念ながら覗けません。写真2枚目の穴あき鉄板は“風防”です。
マウナ・ケア山頂puffin マウナ・ケア山頂
空の青さが宇宙を感じさせる場所です。
銀剣草puffin 銀剣草
咲いているのは珍しいらしいので、しっかり拝んで下さい。
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