朝６時起床。窓の外を見ると、谷は霧の海となっていた。レストランで、バイキング形式の朝食を食べる。敷地内のパン工場から届けられる焼き立てのパンが美味しい。９時にチェックアウト。売店に立ち寄り、土産物をを物色。さすがにトラップファミリー関連グッズが盛りだくさん。妻はＣＤと楽譜を購入。

　さて、今日の行程はメインMaine州、ジョンズポートJonesportまでひたすらドライブ、約400マイル、600キロの旅。急がないと夜中になってしまう、と思いながらも屋根付き橋を探して寄り道。ロッジから山あいの未舗装の道路を走ること30分、Red Bridgeと呼ばれる小さな橋を見つけた。1896年に作られ、当然補修はされているだろうが今日まで立派に使われている。写真に収めた後、意味もなく車で往復し、出発した。

　途中他に２つの屋根付き橋を見学して……１つは廃線になった線路に架かる物、もう１つはなぜか橋全体が土産物屋になっていた……マサチューセッツMassachusetts州の田舎町に着いた。町一番と自ら名乗るピザ屋で昼飯。看板に偽りはなく大変美味であった。ベン＆ジェリーズを発見、アイスクリームでのどを潤す。

　田舎なので、数10キロくらい何もないところもある。しかし西海岸の荒涼とした大地と違い、何処も自然が豊かだ。富士山の樹海を抜ける道路を走っているような景色がいつまでも続く。しかし樹海と違うのは、秋には見事な紅葉に変わることだろう。今は想像するしかないが、いつの日か、紅葉の海の中に立ってみたい。

　６時をすぎ、やっと大西洋岸に到達。それまでの牧歌的な景色に、どこか厳しさが加わる。結局ジョンズポートのＢ＆Ｂに到着したのは８時近くだった。

　荷物を置き、紹介されたレストランに晩飯を食べに行く。本当にあるのかと不安になる山の中に、結構おしゃれなレストランがあった。シーフード・フリッターなる物を注文。貝やら、白身魚やら、正体不明の海産物をフライにした物が山盛り出てくる。はじめはおいしく食べていたが、やがて見るのも嫌になってしまった。

　宿に戻ると、既に建物全体は暗く、ホストファミリーも寝てしまったようだ。交代でシャワーを浴びていると、妻が浴びている時にお湯が出なくなってしまった。女将さんを探しに行くが、扉を叩いても返答がない。結局妻には寒い思いをさせてしまい、不愉快なまま眠りについた。