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2002iceland 08/11
 9時の出発に合わせてのんびりと朝食。丘の上を目指して羊が一列に歩いて行くのが見える。聞こえるのは羊の声だけ。本当はもっと早く出発する予定だったが、忘れていたリコンファームをする為に時間待ちをしている。アイスランド航空のオフィスは9時にならないと開かないそうなので。しかしさすがアイスランド航空系列のホテルだけあって、フロントで飛行機の予約確認書を見せるだけで全てやってくれた。感謝感謝。

 今日は今回の旅行の中で最も過酷なルート、ランドマンアロイガルLandmannalaugarを目指す内陸ルート。途中のヴィークで購入した10万分の1の地図と携帯GPSだけが頼り。1号線を外れ、F208に入ると当たり前であるが、未舗装路となる。はじめはのどかな放牧地の様なところだったが・・・・荒野に1件だけ建つ教会が美しい・・・・20キロほど走った辺りから、本格的な山岳道路になってきた。おまけに強い雨が降り出し、視界も悪い。増水した川にはまり流される・・・・海外旅行者行方不明・・・・なんて事を少し考える。

 むき出しの山肌を見せる丘の間を縫うように走りながら次第に高度を上げていく。これでベートーベンの第九でも流れてくればVOLVOのコマーシャルだ。しかし、アイスランド初日に通ったブルーラグーンからの道ほどの起伏はないし、2日目のソルスモルクほどの渡河もない。予想していたよりも速いペースで進んでいる。オフロード走行もなんだか楽しくなってきた。

 途中、山小屋のような建物があるのが見えたので休憩する事にした。数台の車が停まっている。ここでキャンプをしていたような車もある。雨は降り続いているが、背伸びをすると気持ちがいい。

 気分を新たに出発。ランドマンアロイガルまでの行程の3分の2を過ぎた辺りで、川の手前で停まっている1台の車に遭遇した。近づいてみて驚いた。2日前にソルスモルクで会ったフランス人御一行だった。向こうも笑顔で近づいてくる。こんな事があると旅がまた一段と楽しくなる。目的地は同じであるため並んで走る。向こうも渡河にはだいぶ慣れたようで、川の浅瀬を探しながら順調に進む。ランドクルーザーのような巨体ばかりが通る中、ジムニーとミニバンが並んで走る姿は少し情けない。

 途中、息を飲む光景に遭遇して車を停めた。山肌に薄日が射し、山全体が黄金色に輝いている。素晴らしい。後ろの車も100メートルくらい離れたところで停まったので、やはり景色を見ているのか、と思いきや男どもがたちしょんをしている。なんだトイレ休憩か。

 再びランドマンアロイガルを目指す。20分くらい走り、ついに到着。車を停め、フランス人のドライバーと笑顔で手を振り、健闘を称え合う。大きな駐車場には観光バスも含めてすでに50台程度の車が停まっていた。こんなにたくさんの人を見たのはブルーラグーン以来。コーヒーショップや、食事を提供しているバスもある。キャンプ場には、隙間もないほどテントが張られている。

 ランドマンアロイガルに来た最大の目的は、川温泉に入ることだ。しかし雨はまだ降り続き、結構肌寒い。とりあえず食事をとることにした。バスのレストランは、日本だと鮎の塩焼きでも売ってそうだが、こちらは鮭のソテーがお奨めのようだ。コーヒーだけ買って車に持ち帰り、昨日の残りのパンを食べる。気がつくと両側を観光バスに挟まれ、そこここで、トレッキングに出かけるための着替えをしている。人が食事をしているのにパンツを見せるな。

 食事を終える頃には、雨もあがった。しかし着替えて入浴できるほどの天気でもないので、バスタオルだけ持って川温泉に出かける。キャンプ場を横切った先に山小屋のような物があり、山小屋の一角がトイレとシャワールームになっていて、温泉に入る人はそこで水着に着替える。そこから数100メートル歩けばいよいよ温泉だ。近づくと、露天風呂のような風景が広がる。本当に川全体が自然の温泉になっている。靴を脱ぎ、ズボンの裾を上げて足だけ浸かる。石組みでもしてくれればいいのだが、土のままなので滑りやすい。少しぬるめだが気持ちいい。川底から所々泡が出ているところがあり、足を乗せると熱いお湯がわき出ているのがわかる。それがまた気持ちがいい。体の疲れが引いていくのがわかる。30分近くも、ただぼーーーっと浸かっていた。

 さて、気分も新たに北を目指して出発。幾つか山を越え、黒い砂の大地を走る。はっきりとした道路はなく、なんとなくタイヤの跡を進む。そして後は溶岩台地が続くばかり。単調で面白味に欠けるが、こちらからなら川を渡る事もないので、オフロード車でなくても来られるだろう。湖のそばの発電所を過ぎると、程なくしてF26の舗装路に出た。一日揺られてきたのでさすがにほっとする。舗装路に出てから最初に見つけたInformationで車を停めて休憩した。なぜか靴を脱いで上がるようになっている。よく見ればペンションか民宿のような感じで、宿泊施設もある。売店でアイスクリームを買って食べる。アイスランドで・・・・アイスクリーム。

 今日の宿、フルージルFlúðrまでは80キロ、大きな川沿いの美しい風景の中を走る。このあたりは今まで目にしてきたところよりも(緑が多いという意味で)自然が豊かだ。時々ポニートレッキングをしている情景も見かける。傾きかけた太陽が眩しいが・・・・いつの間にか天気が回復している・・・・1時間ちょっとの快適なドライブだった。

 フルージルの宿はホテル・フルージルHótel Flúðr。これまたアイスランド航空系のホテルだ。5時にホテルに着き、時間も早いのでお風呂代わりにプールに行く事にした。ガイドブックによると、このホテルにはプールがある事になっている。フロントのお兄さんに聞いてみると・・・・この人珍しく英語がカタコト・・・・「外に出て、道沿いに400メートル歩け」と言う。なんだ、ホテル併設ではなく町営プールの事なのね。

 準備をして車で出かける。プレハブ小屋のような簡素な建物があり、アルバイトの学生のような子が料金を徴収している。シャワーを浴び、水着に着替えていざプールへ。人口300人に満たない町の中の立派な温水プール。親子連れや若者達が10数人程度。プールに入る前にジャグジーで疲れを癒す。期待どおり、温泉だ。大自然に触れ、温泉につかる。アイスランド最高!!。

 晩ご飯はホテルのレストラン。窓際の席に座ったら太陽が眩しい。隣のテーブルは年輩のグループ。そういえば何処のホテルも客はほとんど年輩の人たち。若者はキャンプをしながら、もしくはサマーハウスに泊まりながらオフロード車・・・・自転車も結構走っている・・・・で巡り、年輩の人は観光バスでゆったりと自然に触れる。が、この国の観光スタイルのようだ。そんな優雅な人たちに囲まれながら食事をしている場違いなアジア人であった。


08/11 end


Photo
ランドマンアロイガルへの道puffin ランドマンアロイガルへの道
山に太陽の光が当たり、黄金色に輝いていました。溶岩台地を走るガタガタの道が何処までも続く。
ランドマンアロイガルpuffin ランドマンアロイガル
うちのジムニー君です。ランドマンアロイガルで見かける車の中では最小の部類でした。
川温泉puffin 川温泉
雨交じりの外気はかなり寒かったです。でも外人さんはお構いなし。
ホテル・フルージルpuffin ホテル・フルージル
シャワールームから直接外に出られる作りになっていたけど、何の意味があるのだろう。
アイスランド航空系列のホテルは何処もゆったり。
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