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1998scotland 05/13
 日没が遅いと日の出は早い。4時には明るくなり、小鳥が鳴いている。眠れない。完全に時差にはまっている。7時まで待って朝食。ケロッグのシリアルに簡単なバイキング。相変わらず食欲はない。

 グラスゴー空港に戻って12時発、ベンベキュラBenbecula行きの飛行機を待つ。天気はよろしい。しばらく待っていると何かアナウンスがあり周囲がざわつくが事態が全くわからない。不安になっていると英国航空の制服を着た男が近付いてきて、英語のわからない東洋人の為にゆっくりと説明してくれた。どうやら現地の空港が霧で降りられないらしい。困った。ベンベキュラ空港には船会社のコーディネーターが迎えに来ることになっている。

 先程の英国航空の人が2人で6ポンド分のチケットをくれる。近くの売店で使えるようだ。お菓子を買い込んで食べているとまた先ほどの男が来る。どうやら飛ぶらしい。変更になった出発ゲートまで連れていってくれた。1時間遅れで英国航空のプロペラ機に無事乗り込む。

 ベンベキュラ空港にはいかにも外人な金髪で青い目の女性が待っていた。名前もイメージ通りのキャシーだ。ここからライトバンに乗りクルーザーの待つ港へ向かう。雲一つない晴天。霧で遅れたというのは聞き間違いだったのかも知れない。小さな丘と、数多くの点在する湖が複雑な地形を作っている (地図を観た妻は「穴ぼこだらけの土地」と表現していた) 。大きな木は無く、点在する家の他は羊ばかり。

 途中、隣の島へ渡るためのフェリー待ちとなった。なんとなくフェリーの時刻表を見ていて大変な事を発見した。このフェリーの最終便は18時。明後日クルージングから戻ってくる時間も18時。どう考えても間に合わない。予約してあるベンベキュラのホテルまで戻れない。慌ててキャシーに相談すると「なんとかしましょう」と言ってくれた。なにをどうするのかわからないが、とにかくおまかせする事にした。

 空港を出てから2時間後、真っ白な砂浜に着いた。空の色を完全に写し取った真っ青な海に一艘の舟が浮かんでいる。あまりにも絵画的な美しさにしばし感動。しばらくして、ヨットからゴムボートが近付いてきた。キャプテンサンタの絵のような爺さんが乗っている。どうやら船長らしい。救命胴衣を渡されゴムボートに乗り移る。調子の悪いYAMAHAのエンジンをなだめながら、なんとかヨットまで到着。先客2名と合流した。

えっ、先客が居るの?

 今回のクルージングは、Western Edge Ltd. と言うところにお願いしたものだが、「最低6日でなければダメだ」と言われたのに、無理矢理セントキルダ島へ行くための最短コース、2泊3日にしてもらった。その代わりに他に客が居ないときの営業保証のため「そこまで言うならextra chargeを払え」と言われ、5割り増しの料金を先払いしている。お金、どうなるの?

 ともかく先客2名とキャプテンサンタ、スキッパー兼料理担当の女性、そして我々の合計6名で出発となった。ヨットは全長12メートル、客室3つにシャワールームを持つ。エンジンも付いている。あてがわれたのは船首部分の部屋。部屋と言っても3人用テントくらいの空間。しばらくは小さな美しい島々の間をぬうように走っていたが、直ぐに大西洋に出た。もともと体調が悪い所この船の揺れ。船室で横になっていても船首に叩き付ける波の衝撃がもろに伝わり地獄の苦しみ。トイレと部屋との往復を繰り返した。

 午後10時、デッキで声がするので行ってみる。太陽は沈んでいるが、ほのかに明るい。遠くに島影が見える。セントキルダ島だ!!!。切り立った岩の塊だ。1時間後、船は静かに港へ入った。


05/13 end


Photo
British Aerospace ATPpuffin British Aerospace ATP
イギリス製の飛行機です。
North Uistpuffin North Uist
青い海、青い空。
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