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1998scotland 05/15
 朝から苦しい。熱も出てきた。9時になるが誰も起きない。18時までに戻る事はあきらめた。みかねた妻がスキッパーの女性を起こしに行ってくれる。なんて説明したのか知らないが、とりあえず皆が起きるきっかけにはなり、自分もデッキにあがった。キャプテンサンタがやってきて何か話しかけてくる。「昨日電話でキャシーと話をした。ホテルはキャンセルして・・・」その後がわからない。とりあえず聞き流し「thank you」とだけ言っておいた。

 朝食の後、いよいよ出航したが帰るのではなくセントキルダ島を巡る。湾を出て、切り立った崖のそばに近づくと、おおう、パフィンだ。よたよたと波間に漂っている。普通の海鳥が 「1、2の3」 で飛び上がるとすれば、彼らは 「1、2の3456789」 くらいジタバタしてやっと浮き上がる。昔は島の何処にでもいたらしいが、乱獲でだいぶ減ったそうだ。

 島の裏側に回ると、物凄い数の鳥たちに取り囲まれた。頭上を埋め尽くして飛び交う様は、ヒッチコックの映画のよう。まさにこの島はバード・サンクチュアリと呼ぶにふさわしい。島を一周し、昼頃、やっと帰ることとなった。

 360度何も無い外洋にでると、また気持ち悪くなり、後はキャビンでひたすら耐える。SATSUMAブランドのみかん (こんな所で日本の果物が、と感動したが、どうやらアフリカ産らしい) と小振りなりんごを食べてすごす。

 8時頃、何処かの港に着いた。キャプテンサンタともこれでお別れ。いろいろ聞いてみたい事もあったが、まともな英会話ができないのが残念。気になっていた、先払いした割増料金は、空港から港までの送迎料金って事でチャラにしようと言ってきた。タクシー代にしては高い気もするが、まあキャプテンへの御礼(チップ)としておこう。握手をして別れた。しばらく哀愁に浸っていたかったがそれどころじゃない。下痢がひどく、早くトイレに行かないと危険な状態で、立っているのもつらい。

 しばらくすると、迎えの車が来た。知らないおばさんだ(知ってるおばさんがこんな所に居るわけないが)。とりあえず車に乗り込む。しばらく走り、一軒の農家の前に停まる。これまた知らないおばさんが笑顔で迎えてくれる。 Scottish Tourist Board の看板があるので宿泊施設らしい。そうか、ここに泊まれという事か。で、明日の迎えを確認する間もなく最初のおばさんは行ってしまった。他の数人の宿泊者と自己紹介をして (早くトイレを・・・) Scottish Joke を聞かされて (ううう・・・) やっと2階の部屋に落ち着いた。助かった。

 ぼーっとした頭で部屋の中を見回す。どうやらここは Guest House のようだ。普通の農家に泊めてもらうような感覚で、日本で言う民宿に似ている。ここは先程出迎えてくれたマリーおばさんが一人で経営しているようだ。ビスケットとジュースだけで晩飯を済ませる。マリーさんとキャシーさんの間で明日の話がついている事だけ確認して、風呂にも入らず眠りに着いた。


05/15 end


Photo
キャプテンサンタpuffin キャプテンサンタ
この人の英語は全く分からなかった。
セントキルダpuffin セントキルダ
大西洋に浮かぶ断崖絶壁の島々。
岩肌の水鳥puffin 岩肌の水鳥
広角レンズしか持ってませんでしたので、お目当てのパフィンは撮れませんでした。
でも元気いっぱい飛んでました。
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