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2005alaska 09/10
南へ

 今日はキーナイ半島Kenai Peninsulaに向かってひたすら南下するだけの行程。今回の旅は南のアンカレッジから入り、北のフェアバンクスから帰国するので本来であれば南から順番に回っていけば効率がよい。しかし、9月中旬というのはアラスカにとっては微妙な時期、デナリではいつ雪が降ってもおかしくない。そのため一日でも早くデナリに行っておこうと北上するところから旅を始めた。

 ついでに言えば、今回の旅は神頼み(天気次第)の部分が大きい。雪になればデナリだけでなく後半のオーロラ観賞にも大きく影響する。宿のある町は「冬期閉鎖」の道路の先だ。もちろん雨で済んだとしてもオーロラを見ることは出来ない。

 じゃあなんでこの時期に?、それは、夏(デナリ、氷河クルーズ)と冬(オーロラ)のイベントを同時に楽しめる(かも知れない)からだ。デナリのツアーバスは9月15日が最終、氷河クルーズも多くは9月中に終了する。そして夜の時間は日ごとに長くなり、オーロラを見るチャンスが出てくる。また、真冬には氷点下30度にもなるが、この時期であれば氷点下10度程度と予想され、行動もしやすい。

 とりあえず、前半戦(デナリ)は小雨程度でしのぐことが出来た。中盤戦(氷河クルーズ)、後半戦(オーロラ)はどうなるだろうか。

 今日も小雨がぱらつく。マッキンリー山は臨めそうもない。少々効率の悪い日程だが、おかげでマッキンリーを見る機会は増え、明後日には又ここを通る予定、その時に期待しよう。昼飯は昨日スーパーで買ったインスタントラーメンの予定なので、車を止めて調理できそうなところを探しながら走る事にする。このジョージパークス・ハイウェイには適当な間隔でトイレ付きの休憩所(大抵は“お写真撮り所”マーク付きの眺めが良いところだ)が用意されているのでなんちゃってキャンプをする場所には事欠かない。が、ちょっと予定よりも順調に走りすぎたことが誤算となる。

 12時を過ぎ、そろそろ昼飯を、と考える頃にはワシラの町の近くまで来てしまった。周辺はだんだんと都会になり休憩所もなくなる。ワシラを過ぎ、アンカレッジを過ぎ・・・別にアンカレッジのレストランでも良かったのだけど、なんだか予定を変えるのもしゃくなので意地でもラーメンを食べてやる、って気分・・・何とか妥協して車を止めた頃には2時過ぎになっていた。

 車を止めたのはターナゲン入江Turnagain Armの入り口あたり、でっかい機関車が置いてある休憩所だった。駐車場の外れに車を止め、ストーブでお湯を沸かし、ラーメンを茹でる。日本に居てもそれほどラーメンを食べる方ではないが、毎日バタクサイ物ばかり食べているとさっぱりとしていておいしい。

 さて、南を目指して出発。アンカレジからスワードSewardへ続くスワード・ハイウェイSeward Hwyは、アラスカでも最も景色の良いハイウェイの一つと言われている。確かに海沿いの道は変化に富み、氷河を頂く山が見え隠れして美しい。が、個人的にはワシラからデナリまでの、アラスカらしい景色の方が好きだ。

キーナイの夜

 ポーテージPortageを過ぎ、「ようこそ、キーナイ半島へ」(原英文)の看板を過ぎ、山道にはいる。Scenic Viewの表示が次々と現れる。紅葉の山々が湖に映し出されて確かに美しい。

 さて、今日の宿はキーナイ・プリンセス・ウィルダネス・ロッジKenai Princess Wilderness Lodge。キーナイ半島のちょうど真ん中あたりに位置するクーパー・ランディングCooper Landingにある。昨日の夕方満タンにしたはずのガソリン残量表示がEに重なる頃やっと到着。恐らく一日で走った距離としては過去最高だろう。

 プリンセス・ロッジは、広大な敷地の斜面に沿ってログハウス風のキャビンが点在する形になっている。部屋に入ってみて驚いた。なんと、薪ストーブがある。一度やってみたかったんだよねぇ、夜の楽しみが出来た。

 まだ明るいので散歩。「注意、最近従業員がクマに襲われたのでこの先は危険だよ」(原英文)・・・英語の読めない妻には説明しない方が良いだろう・・・と書かれた川へと続く道を歩く。結構急な下り坂だ。川岸まで降りると先客が居て、こっちに来いと手招きしている。指さす先に目を向けると、お、シャケだ、紅鮭だ。アラスカといえばサーモン、サーモンといえばここキーナイ川。よく見れば川のあちらこちらに沢山泳いでいる。

 急な坂を上り部屋に戻る。まだ明るいので次はジャグジーに行ってみよう。実は割り当てられた部屋のすぐ隣にジャグジーがある。ジャグジー小屋にはルームランナー等の簡単なトレーニング機器があり、更衣室(シャワールーム)、そしてジャグジー風呂が屋内と屋外にある。建物はガラスが多用されているため(外から丸見えだ)、屋内の方でも露天風呂感覚で楽しめる(少しぬるめのため屋外だと寒い)。緑に囲まれて、今日の疲れを癒す。ふぅ。さて、風呂上がりにはやっぱりアラスカンビールと行きましょう!!

 夕食はホテルのレストラン。ポークステーキ。妻はハリバット版シーザーサラダ(通常のチキン版よりも高い)。見渡すと、まわりはほとんど年配の団体客だ。ここプリンセスホテルは(勝手な憶測だけど)アラスカの観光を牛耳っているようで、車で走っていると沢山のプリンセスバスとすれ違う。また、アラスカ鉄道にも専用車両を持っている。デナリやフェアバンクスにもホテルがあり、日本で言えば西武グループのような感じなのだろうか。

 ビールを飲み、いい気分で部屋に戻る。今夜は星空が綺麗だ。こんな南の端に来て、やっと晴れるなんて、なんだかなあ。まあいっか。まだ先は長い。とりあえず今夜は薪ストーブと格闘だ。長い夜になりそうだ・・・。


09/10 end


Photo
除雪機関車puffin 除雪機関車
で、でかい。
車の電源プラグpuffin 車の電源プラグ
電源プラグ付きの車をよく見かける。冬場、あらかじめエンジンを暖めておくためらしく、コンセント付きの駐車場がある。
薪ストーブpuffin 薪ストーブ
“優しい時間”が流れます(頭の中では平原綾香が流れます)。
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