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2006portugal 09/06
 かすてらぁ、かすてらぁ、かすてらぁ、・・・、え、ポルトガルには、カステラ無いの??

 2006年8月10日、ロンドンからアメリカへ向かう航空機を対象としたテロ未遂事件が発覚、ロンドン・ヒースロー空港は全便の発着を禁止したというニュースが飛び込んできた。翌日以降も20%の強制減便措置、手荷物の持ち込み制限が科せられ混乱が続く。なんてこったい、日本からポルトガルへは直行便が無く、英国航空便を予約してある。その後、減便措置は解除されたものの、手荷物持ち込み制限は続き、慌てて基準に適合したバッグを用意したり、旅行荷物の減量化を進めたり、ちょっと不安な中での出発準備となった。

出国、ポルトガルへ

 成田空港売店で旅行保険の手続きをしていると、壁面に取り付けられた無言のテレビモニターがニュース映像を写し出す。「紀子様男子出産」。そっかあ、男の子か、これで皇位継承問題は先送りできそうだ。なにはともあれ、無事出産おめでとう。

 13時30分、英国航空機でまずはロンドン・ヒースロー(LHR)空港へ向かう。ポルトガルへ行くには直行便が無い為ヨーロッパのどこかの国を経由する必要がある。今回英国航空を選んだのは、ワールド・トラベラー・プラスWorld Traveller Plusを利用するためだ。専用の新設計シート、従来のエコにミークラス(英国航空ではワールド・トラベラーと呼ぶ)よりも18センチ広い座席間隔、40席程度に限定した専用キャビンによる静かな空間が売りの新しいサービスだ。時期にもよると思われるが、エコノミークラスよりも往復で5万円程度高くなる。

 実際に座ってみての感想は、大変満足しました。自他共にオヤジと認める年齢になってくると、足を組むのもままならないエコノミー座席で12時間我慢するのは結構キツイ。その点、プラスの座席は足をぶらつかせる余裕もあるし、フットレストもあるし、トイレが渋滞する事も無い。

 唯一残念なのはビデオシステムが貧弱なこと。“オンデマンド”では無いので次にいつ映画が始まるのかがわからない。見始めると途中で眠くなっても止められない。

 17時30分、ロンドン着。曇り空、少し暖かい。先月のテロ未遂事件以降、厳戒態勢が続いていると噂のヒースロー空港である。リスボンLisboa(LIS)への乗り継ぎ便の遅延も予想したが、簡単な検査で問題なく通過。18時30分、ほぼ定刻に英国航空BA504便はターミナルを離れた。リスボンまでは2時間半、イギリスとポルトガルの間には時差は無いのでそのまま時計は進む。機内食でサンドイッチが出される。日本から3食目、これで今日の食事はおしまいとしよう。夜9時を過ぎてのポルトガル入りとなった。

リスボンの夜

 さて入国審査。意固地なイギリスはEUには加盟していてもシェンゲン条約には加盟していないので、ここで入国審査を受けることになる。みんな入国カードを記入していたのでがんばって書いて係官のお姉さんに渡すと「日本のパスポート所持者には必要ありません」と笑顔で破り捨てられてしまった。そんなこんなでタクシー乗り場は長蛇の列。

 ジェットコースターのような……ガイドブックにポルトガル人の運転は荒いと書いてあったけど本当だなあ……タクシーで向かったホテルはドゥアス・ナソンエスDuas Naçõs Residence、旧市街(バイシャ地区Baixa)のど真ん中にある。石畳の道路だったり、ラウンドアバウトroundabout(ロータリー式の交差点)を回ったり、公園に巨大な人物像が建っていたり、車窓からヨーロッパの街を堪能していたら何処かの石畳の通りでおろされた。23時を過ぎて、やっとホテルに到着。

 501号室、玄関扉のように、手前に引いて開けるエレベーター扉(自動ドアではないので「ガシャン」とドアロックが外れる音がしたらすかさず開けないといけない。躊躇しているとすぐに次の階に行ってしまう)を開けて乗り込む。内扉が無いため乗り込んだ側の壁は下へ下へと動いている。ある意味ディズニーシーの新アトラクション、タワー・オブ・テラーより怖いかも。部屋はこれまで泊まった中では最悪の部類。80ユーロの値段を考えると、費用対効果で間違いなく最低のホテルだ。スーツケースを横にする余裕もない狭い部屋。小さな窓から見える景色は隣の屋根のみ。

 まあ立地最優先で選んだのだからと納得するしかない。例えるなら銀座のみゆき通りあたりのホテルに泊まっているようなものだから、銀ブラ、ならぬリスボン町歩きには最高だ。ミネラルウオーターを買いに街に出てみる。旧市街と丘の上を結ぶ有名なサンタ・ジェスタのエレベーターElevador de Santa Justaも歩いて数分だ。この時間でもカフェは賑わっているし、記念写真を撮っている観光客も居る。「にいちゃん、ハシシあるよ。買わない?」、ポルトガルに来て最初に話しかけて来たのはマリファナ売りだった。いくら観光に便利だからと言って、こんな時間に出歩くものではない、と言う教訓話でした。


09/06 end


Photo
ドゥアス・ナソンエスpuffin ドゥアス・ナソンエス
ホテルが面しているアウグスタ通り。写真右奥、コルメシオ広場へ続く。
サンタ・ジェスタのエレベーターpuffin サンタ・ジェスタのエレベーター
夜11時を過ぎての賑わい
サン・ジョルジェ城puffin サン・ジョルジェ城
ホテルの廊下の窓から。部屋の窓からはいちゃついてるハトしか見えません。
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