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2006portugal 09/15
さよなら、ポルトガル

 なぜかタンスの上にあるおもちゃのような扇風機では寝苦しさをしのげず、窓の外は汚い裏通りなので開けて寝るわけにもいかず、結局入り口の扉を半開きにしてスーツケースを重しにしておいて寝た。タクシーで空港へ向かう。早朝から天気雨が降り、リスボンの空には虹が架かっていた。

 チェックインを済ませ、空港のカフェで朝食。ポルトガルは日本人にとっては暮らしやすい国だと思うが、煙草吸いにとってもなかなか馴染みやすい国だろう。カフェには禁煙席は無く、何処も煙が充満している。

 12時少し前、リスボンを発ち、イベリア半島の黄色い大地を超えてロンドン・ヒースロー空港へ向かう。今も昔もヨーロッパの辺境であるポルトガルの旅は、意外にも食の旅であった。貧しい大地であるが故に、得られる恵みを最大限に生かす料理が生まれたのだろうか、駆け足で巡った各地で素晴らしい料理と出会うことができた……これほど牛肉から遠ざかった10日間も珍しい。

混乱のヒースロー

 順調な飛行で14時前にはヒースローに到着。大混雑のセキュリティーチェックに並ぶ。まあまだ1時間以上あるから大丈夫と思っていたらあっという間に15時25分、搭乗締切時間を過ぎてしまった。そしてセキュリティーチェックを通過したのは16時、搭乗ゲートの案内板を見ても既に東京行きは無い。慌てて空港職員に「東京!!」、「○○番だ、急げ」。既に出発予定時間を過ぎている飛行機目指してターミナルを走り抜けた。

 搭乗ゲートには、まだ4人の日本人が居た。係員との話を聞いていると、どうやらグループのうちの何人かが、まだ来てないらしい。セキュリティーチェックで荷物制限に引っかかり、そこで別れたそうだ。そういえば手にした土産物が持ち込めず、途方に暮れている日本人がたくさん居た。

 「何処から(トランジット)ですか?」「リスボンです」「そう、困ったわねぇ」。職員の皆様もこの混乱に辟易しているようだ。搭乗開始から既に1時間は待たせてある飛行機にやっと乗り込む。なんだかんだで16時40分、やっとターミナルを離れる事が出来た。米英が始めたイラク戦争のおかげで、世界はテロ対策の為に計り知れない経済損失を被っている。安心して旅が出来る日は来るのだろうか。


09/15 end

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